税理士はここを見る!会計チェックの方法ー貸借対照表編ー

自分で会計ソフトを使って、自分で経理している方は、
ひととおり仕訳の入力や預金の登録が終わったら、
はい終わり~!ではありません。

一度、残高試算表や月次推移表を使って
本当に入力したものが合っているのかどうかをチェックしましょう。

経理はできれば毎日ないしは2~3日でまとめて、チェックは毎月。
月ごとに見ていくのがおススメです。

今回は貸借対照表の会計チェック方法。
個人事業主(フリーランス)の方を想定しています。

上から見ていこう!資産項目

自分で会計ソフトを使っている方は、入力した仕訳が、
それぞれの勘定科目で適正な金額を表しているのか?
を残高試算表や月次推移表で見ていく必要があります。

勘定科目とは、取引を項目ごとに振り分けていく箱のようなもの。
現金で仕入をしたら、仕入高という勘定科目の金額が増えて、
現金という勘定科目は減ります。

仕訳を入力することで、
勘定科目という項目ごとに集計され、残高試算表が出来上がります。

 

現 金

見ていく順番の好みはありますが、特にない場合は、流動資産の一番上、
現金から見ていっていただければ。

個人事業主(フリーランス)の方の場合は、
家計と事業のお財布が一つという場合も多く、
その場合は、何か支払いをしたとしても、
現金の勘定科目の代わりに事業主借を使うことが多いです。

現金の勘定科目を使っている場合は、
毎月の現金残高がマイナスになっていないかを気を付けて見ていきます。

マイナスの場合は、家計から必ず補填しているはずですので、
事業主からお金を借りるという意味で、事業主借をたてて、
現金補充を忘れずに。

預 金

普通預金や当座預金、定期預金などがありますが、いずれも毎月の残高が、
通帳の残高と合っているかを見ます。

最近は預金をデータから取り込みしたり、クラウド会計では銀行と同期できたりと、
登録さえすれば仕訳できてしまうことも多いので、インプットはとても楽になりました。

ただし取り込みや同期が出来るので、当然に通帳の残高と会計の残高は合うはずと
思いがちですが意外と合っていないことが多いです。

考えられる原因は次のようなものです。

・データ取得期限があり、期限のすぎた取引については、データを取得できておらず、

取込や同期をしたけれど、実は間の取引が抜けている。

・取り込みや同期時の不具合により、なぜか二重に取引が計上されている、

又は取引が抜けている。

・資金移動をしている場合、A銀行からもB銀行からも預金の取り込みをしていて

登録が二重になっている。

特にクラウド会計は、全てが自動で残高も自動で合うはず!
と思われているような気がしますが、そんなことはありません。

なので、最後は自分の目で通帳残高と合っているか、確かめるのが必須です。

売掛金・未収入金

現金商売の場合は出てこない勘定科目ですが、
昨今のスマホ決済、カード決済の普及をみれば、
商売をする場合はたいてい、掛売上が出てくるものです。

売上の立つタイミングは商品を販売した時点、サービスの提供が完了した時点ですが、
実際の入金は一か月後など売上計上と入金のタイミングは必ずしも一致しません。

そのため売上が立ってから入金までの間、債権(お金をもらえる権利)を
資産として持っていることになります。それが売掛金です。

毎月の売掛金が適正かどうかは、取引先ごとにみていく必要があります。
取引先ごとに入金が毎月滞りなく、金額も間違いなく行われているかどうかです。

会計ソフトにより「補助科目」という名称ではなかったりしますが、
補助科目(勘定科目の中をさらに項目分けするための科目)を設定して
取引先ごとに管理していきましょう。

また、未収入金や未収金も同様です。
未収入金や未収金も売上以外の収入にかかる債権です。

回収が確実に行われているか取引先ごとに見ていきましょう。

前払費用

店舗や事務所を借りている方は、家賃の支払いが前払いになっているのではないでしょうか。

9月分の家賃の支払いは8月末ごろに行われるのが一般的です。
実際に場所を借りるのは9月なので、費用として地代家賃が上がるのは、
9月ですが、支払いは8月なので、支払時は前払費用として仕訳をします。

来月になったら費用となるけれど、8月時点では費用となる権利を取得している
という意味で資産として前払費用を上げます。

そのため8月時点では前払費用が家賃の分だけ上がっているのが正解で、
9月になったら地代家賃として費用に振替ることになり、
前払費用から消えるという仕訳がきちんとできているかを確認します。

そのほか、有価証券、棚卸資産、固定資産などは毎月のチェックでは
特に見ていく必要はないと思います。

固定資産は損益計算書の方で減価償却費が上がっているかで確認します。

いずれも決算時に見ていくと合理的な勘定科目です。

それと、仮払金は残っていないかも要チェックです。
勘定科目が分からない場合、とりあえず仕訳をするために仮払金としたり、
未確定勘定を使うことがありますが、そのまま放っておいても決算時に苦しむだけです。

何の支払いか全く思い出せないということも多々あります。

自分がわからないのに誰もわかるわけがありません。
本当は経費だったのに、なんだかよくわからないし経費にできない、
なんていうことは避けたいですよね。

ですので、月ごとのチェックの段階で、適切な勘定科目に振り分けられるよう
その都度考えて処理するのが賢明です。

負債項目

預り金

負債で合わすのが一番難しい科目です。
主に、源泉所得税、住民税が預り金に振り分けされます。

従業員を雇っていない場合はあまり見かけない勘定科目かもしれませんが、
ある程度の給与額を支払うと必ず出てくる勘定科目です。
こちらもそれぞれ項目ごとに補助科目を設定し、
補助科目ごとに管理されるとよいでしょう。

源泉所得税であれば、毎月納付されている場合や年2回納付されている方もいらっしゃいます。
チェック方法は同じで、毎月の給与や士業などへ支払った報酬から預かった源泉所得税
を間違いなく納付できているかを見ます。

正しく預かり、納付が出来ていれば、残高が翌月以降に納付する予定の源泉所得税の金額
となります。

合わない場合は、どこかで預かっている金額、ないしは、
納付額が間違っていますので、さかのぼって原因を考えます。

住民税も同じです。

買掛金・未払金

売掛金や未収入金と考え方は同じで、今度は支払いの方です。

仕入や消耗品の購入、通信費など、商品は受け取っている、
または、サービス提供は完了していが、いまだ支払いが完了していないものは、
負債となり買掛金や未払金にあがってきます。

こちらも取引先ごとの補助科目を設定し、
補助科目ごとに翌月以降の支払先がどこか、金額はそれぞれいくらか、
そして残っている金額が正しいのかを把握します。

借入金

こちらも借入金ごとに補助科目を設定して、支払い漏れがないか、
いくら残高があるのかを月ごとに把握します。

よく借入金を返済した場合、元金と利息の合計金額をまとめて
借入金の返済として処理されていることがあります。

ですが、会計では元金と利息は別々の処理をします。

元金の返済は、借入金という負債が減ることになり、
利息の支払は、支払利息という費用が増えることになります。

つまり全く別の扱いです。
元金の返済は貸借対照表の負債の減少。
支払利息は損益計算書の支払利息の増加。

両者が区別して仕訳されているかを確認する必要があります。

返済する元金と支払う利息は、金融機関からもらう返済予定表を元に、
毎月の金額が正しいかどうかを確認します。

元入金

基本的に何も合わさなくても、勝手に自動計算してくれますので、
チェックの必要はないです。

会社でいうところの資本金のようなものですが、
個人事業主(フリーランス)の場合は資本金ほどきっちりとした数字ではありません。

というのも個人の場合、
どうしても家計と事業とのお金の出入りが混在してしまいますので、

開業したてのころは、資本金と同じではありますが、
事業を何年も継続していくと、資本金の意味にプラス、
家計と事業が混在した分の調整金額が乗ってきて、
貸借のバランスをこの元入金でとっていきます。

なので、家計と事業の入り繰った結果は見れますが、
決算時に見ていけばよいかと思いますので、
月ごとにチェックする意味はあまりありません。

 

▼今日の一曲♪

キリンジ「雨は毛布のように」

 

▼昨日の娘日記

-姉7歳-
学童で紙のテープを使った小さな籠を作ってきました。
さっそく自分のヘアピンを入れてお気に入りの仲間入りです。

ー妹4歳ー
お気に入りの魔女の宅急便のキキのような
魔女ワンピースを着て晩御飯。
こっちは袖が汚れるのが気になりますが
お構いなし。昨日もたらふく食べていました。

 

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