税法免除のための修士論文テーマを決めるポイント

大学院で税法に関する論文を作成し、国税庁に提出、税法科目の免除を受けて、
税理士になる方法があります。

いわゆる大学院免除です。

修士論文のテーマ決めがうまくいくと、修士論文の半分以上はもうできているようなものだ!
と言われるくらいテーマ決めは非常に重要です。

しかしいったいどうやってテーマを決めればいいのか悩むところです。

今日は修士論文のテーマの決め方についてその考え方を書いていきます。

修士論文のテーマ決めがうまくいくとはどういうことか

まずはテーマを決めるにあたって、そもそも修士論文とは何か?
というところから始めました。なんでも定義したくなるのはくせかもしれません。

私の場合は税務に関する様々な本を読んだり、授業を受けたり、
先生に疑問をぶつけてみたり試行錯誤する期間が1年くらいあったように思います。

その中で得たのは、
修士論文は、問に対する結論を自分なりに見つけていく作業であるということでした。

そこで、まず自分が仕事をする上で疑問に感じたことや、
大学院での学びの中で疑問に感じたことを探るところから始めました。

問をたてないと始まらないので、何となく流してしまうような話であっても
引っかかるようになるというか、批判的に物事をみるということが大事ですね。
そのためにも本を読まないとなかなか批判も浮かばないですけど。

問といっても0から1を作る必要はなく、自分が感じている疑問は多くの場合、
租税の専門家も当然に疑問に思っていることであり、
先行研究が必ずと言っていいほどあります。

博士論文の場合はまた別でしょうが、
修士論文の場合は先行研究がないと書けないので、
ない場合はその問に関して追及するのはやめた方がいいと思います。

先行研究がないと、結論へ導くための根拠がないことになってしまいますので、
有名な先生が書かれたとかでない限り、誰もそんな論文は読んでくれません。

きちっと先行研究をトレースしていることが問に対する結論を導く際に重要となります。

ある程度の先行研究者がいて、結論がA~Cなどいくつかあって
その中で自分の考えがどれに近いか、また別のDであるのかを
先行研究を根拠として用いながら自分の結論を探っていくのです。

修士論文だとこのくらいのレベル感でも書き進めることができるのではないでしょうか。
ある程度進んでから後戻りするのは大変ですが、
書き進めないと何も進まないので、とりあえず書いてみたらテーマっぽくなることもあるかもしれません。

テーマ決めには様々な方法が考えられますが
大きく分けると次の2つがスタンダードではないかと思います。

一つの判例から深堀していく方法

税法免除の場合は、主に判例研究の手法を用いて論文作成にあたります。

大学院にもよりますが、財政学をテーマにするところは少ないようです。

判例とは最高裁判所の過去の判決の実例を指す場合もありますが、
広義には高裁や地裁も含めて裁判所が過去に判決をだした実例のことです。

この判例での見解について、
租税の専門家は研究していますので、
関連の文献や雑誌論文を読み込んでいきます。

租税判例百選を読み込む

裁判の判例を集めて、解説、研究している本はいくつもありますが、

有名なのは租税判例百選(第7版) 別冊ジュリスト

こちらは判例研究をする場合は必ず読みますので手に入れましょう。
最新版が出ている場合はそちらを入手されるのが良いでしょう。

有名な判例を百ではなく百以上集めた判例集で、
名だたる租税の専門家が解説をしています。

この中から興味のある判例を探し出し
関連する先行研究の文献や雑誌論文等を読み込み
深く掘り下げていき、テーマを決めていく方法がスタンダードで良いと思います。

ただ、かなり細かい字で書かれており、初めて税法に触れるような方は、
正直とっつきにくいです。これは何語で書かれているの?というくらい最初は読めないです。
自分が読めないだけかもしれませんが。

大学院で学んでいくうちにわかるようになってきました。
今でも読むにはしんどい本ですが、まとまっているので、判決文を一から読むよりは
かなり効率的かと思います。

好きな研究者を見つけて読み込む

租税の研究者も様々おられますし、文章のくせや表現方法の違いがけっこうあります。

難しい表現をやたら多用するのが好きな先生、
分かりやすく一般的な用語で書かれている先生、
見解が極端な先生、保守的な先生、など様々です。

自分なりに好みの文章を書かれる研究者を見つけて、
その先生の研究テーマから1つ興味のある判例を選んでテーマにする方法もあります。

私がとっつきやすくて好きだったのが、青山学院大学法学部教授の木山泰嗣先生の本です。

木山泰嗣『税務判例が読めるようになる―リーガルマインド基礎講座・実践編』(大蔵財務協会)

判例の読み方について初めて勉強する場合でも、
すんなり入っていけますし、
書き方もとてもうまいので、文章を書く上でもとても参考になります。

この本は、最近の重要判例についての読み方をていねいに解説されています。

2015年発売なので、少し古くなってきていますが私はこの本からテーマを決めました。

税目を決めて判例集を読み込む方法

租税の研究といっても、法人税、所得税、消費税、相続税などたくさんの税目があります。
そのため、興味のある税目を絞って
判例集を読んで気になったものをテーマにする方法も考えられます。

私の場合であれば、税理士試験で相続税が受からなかったことや、
所得税については実務で学んでいたものの、
理論を体系的に勉強したことがなかったことから、
相続税や所得税にしぼって修士論文を書きたい、

というのは漠然とですが入学前からありました。

それで、テーマを「相続税と所得税の二重課税の問題について」にしました。

ちょうど上記の木山先生の本にも解説が載っていたので、ああこれだ!

とピンと来たのを覚えています。

税理士試験の科目として選ばなかったものや、
勉強はしてみたもののもう少し理論的なところを知りたいとか、
今後実務をする上で資産税に力を入れていきたいから相続税をテーマにしたいとか
様々の理由が考えられますが、

どういう方向性でいくのか漠然とでも決めるために税目を絞っていくのも一つの方法だと思います。

例えば、税目を所得税法に絞って、裁判例の解説について読み込むならば、
こういった本もあります。他にも税目ごとに裁判例集がありますので、探してみてくださいね。

酒井克彦『裁判例からみる所得税法』(大蔵財務協会) 

▼今日の一曲♪

キリンジ「エイリアンズ」

▼昨日の娘日記

-姉7歳-
最近は工作が大好きです。
昨日はすみっこ暮らしの色が変わるカードを作ってきてご満悦でした。

-妹4歳-
もうすぐ誕生日。ディズニープリンセスの
キラキラセット(化粧品のように見せかけたメモ帳などの文房具)を
もらうのが楽しみで、誕生日まで毎日指折り数えています。

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