自分で経理をすると現金主義になりがちだけど、少なくとも決算時は発生主義でやろう。

最近はクラウド会計ソフトを使って、
自分で日々の経理をされている方も増えましたね。

日々の入力はするから会計が合っているか見てもらって、
最後の決算の締めと申告のみ税理士の方でお願いしたい
という方も多いです。

そういった場合、日々の経理は一応終わっているので、
私の方では会計処理が合っているか確認するところから始めるのですが、
会計を確認させていただくと、
たいてい現金主義で経理をされています。

現金主義とは、現預金の受け渡しの時点で売上や経費を
会計に上げていく方法です。

現金主義も会計の記録方法として
間違っているわけではないのですが、
現行の会計ルールにのっとって行う場合は、
発生主義が原則です。

自分で経理をする時も発生主義で経理を
していってほしいです。

今日はそんな話です。

発生主義とは

現行の会計ルールでの収益と費用を上げるタイミングは
発生主義で行います。

発生主義は現預金の収入支出に関係なく、
取引が発生した時点で収益費用を計上する方法です。

取引が発生した時点ということは、
商品の引き渡しやサービス提供が完了した時点。

通常の取引であれば、
サービス提供後、請求書が発行されてから決済しますから
サービス提供が完了した時点とお金の動くタイミングはズレるわけです。

具体的に仕訳を考えると、
売上100,000円について、サービス提供完了時に

 ・売掛金100,000/売上100,000

と会計処理します。

実際の入金は来月以降なので、入金があった時には、

 ・預金100,000円/売掛金100,000円

と処理をして、売掛金が無事回収された仕訳をします。

そのため、通帳の動きで仕訳を登録していくのであれば、
入金時は、売上を上げるのではなく、
売掛金が回収された仕訳をすることになります。

クラウド会計で経理していくとたいてい現金主義に

何も知らずにクラウド会計ソフトで
日々の経理をする場合を想定すると、
まず会計ソフトの最初の画面に、かんたん取引入力!
とか預金口座と連携しましょう!

などと書かれていることが多く、
まずは、収入支出を経理していくことから始められる
ようになっています。

やよいの青色申告オンラインであれば、こんな画面。


会計freeeだと、決済について、未決済か完了しているかは一応選べます。
収入の場合に未決済を選ぶと、自動で売掛金に上げてくれます。
ですが、慣れていないと、売掛金の回収の時に
売掛金を消す登録をし忘れて、再度売上をあげて二重計上になるなんてことも。


慣れてくれば、freeeだと、未決済の取引の決済時点での仕訳も、
取引の推測画面から選べたりと発生主義でもわりと
簡単に登録できるようになっています。

いずれにせよ取引を収入支出から登録していくような
仕様になっています。
収入支出で取引を記録していくので、素直に取引を登録していくと
現金主義に自然となるようにできていますね。

もちろん、会計のルールが理解できていて、
発生主義で経理することもソフトの仕様上
出来るようになっていますが、簿記が分からない状況で
経理をしていれば、たいてい現金主義になるでしょうね。

まずは決算時に発生主義で経理をする

理想としては、日々の経理も発生主義で行ってもらいたい
ところではあります。

ですが、お気づきかもしれませんが、
発生主義で仕訳を登録していくとなると、
1つの取引に対して、売上のタイミングと入金のタイミングで
2回仕訳をする必要があるため、かなり面倒です。

業績を月ごとに把握するには、
発生主義で経理していくことは必須ですし、
やってもらいたいという思いはありますが、
面倒との兼ね合いもあります。

経理のために本業の時間をつぶすのは本末転倒ですしね。

ですので、個人事業主の方で
それほど規模の大きくないお客様であれば
日々の経理は現金主義で、
決算時に発生主義で経理することをおススメしています。

決算時は必ず発生主義でしないと、
税務調査の際に、入金がまだなので、
期末の売上は上げていませんと言ったところで
言い逃れできませんので。

決算時は面倒だとかは置いといて、必ず発生主義で
経理を行いましょう。

まとめ

日々の経理は100歩譲って現金主義でも
決算時は必ず発生主義で収益費用を上げます。

慣れてくれば日々の経理も
発生主義でしたとしてもそれほどの労力ではありません。
ぜひ日々の経理も発生主義で行ってもらいたいです。

 

 


▼娘日記
鳩みくじで有名な六角堂へ久しぶりに行きました。

人よりも鳩の方が多かったです。鳩と交信中の娘。

スターバックスも目の前にあり、大人はコーヒー。
子供たちは鳩に夢中で良き休日でした。


 

 

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