事業をしていると、給与の支払や士業などへの報酬の支払がでてくると思います。
この給与や報酬の支払には源泉所得税というやっかいなものがつきものです。
事業者が、その月に支払った給与や士業などへの報酬からは、
一定の源泉所得税を預かり、原則翌月10日までに
これを国(税務署)へ納付するという義務があります。
預かったものを翌月に納めるだけなのに、
間違いが大変多いです。
預かっている金額と納める金額がズレる。
いったいどうしてでしょうか。
今日は、源泉所得税について間違やすい3つのポイントについて書きました。
これから源泉所得税の納付手続きをする方のご参考になればと思います。
そもそも源泉所得税を預かっていない
請求書に記載の金額でそのまま支払ったけど、
実は源泉所得税の徴収対象となる報酬で、
本当は源泉所得税を差し引きして、支払わなければならなかったケースです。
例えば、個人に対するデザイン料や経営コンサルティング料。
これらは源泉所得税の徴収対象となる報酬です。
本当は徴収対象なのですが、請求書に源泉所得税の記載のないケースが見受けられます。
ふつう11万円の請求書が届いたら、そのまま支払ってしまいますもんね。
実際は11万円(消費税込)の報酬に対する
源泉所得税10、21%(復興特別所得税を含みます。)を差引した99,790円を
取引相手に支払うのが正解です。
そして預かった源泉所得税10,210円は
翌月10日までに税務署に納めるという手続きになります。
請求書に書いてないんだから相手が悪い!となりがちですが、
法律上は、預り忘れている事業者が悪いことになってしまいます。
それは事業者に預かる義務があるからです。
(給与の支払がなく、1人で個人で事業をされているなど
源泉所得税を預かる義務がない事業者の場合は除きます。)
請求書に記載されていないからと言って、
源泉所得税を預り忘れることのないように注意しましょう。
預り忘れてしまった場合は、
①取引相手に源泉所得税分を返金してもらう
②支払金額を源泉所得税差引後の金額として、源泉所得税を割り戻して計算する。
のいずれかの方法で対応します。
今後は請求書に源泉所得税を記載してもらうよう依頼することも忘れずに。
源泉所得税の対象となる報酬は、たくさんありますが、
士業への報酬、原稿料、講演料、デザイン料、経営コンサルティング料が主なものです。
いずれも個人事業主に対する支払いが対象で、支払先が法人である場合には、
源泉所得税は徴収しませんのでご注意ください。
なお国税庁のHPに源泉所得税徴収対象となる報酬・料金について
詳細がありますので、ご参考にしていただければと思います。
→源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
支払った報酬から預り金を立てていない
請求書には源泉所得税の記載があり、請求額を支払うことで、
源泉所得税は預かっているけれど、
会計で預り金を立てておらず、納めるのを忘れることがあります。
先ほどの例で言えば、、
請求額通りに99,790円を支払うことで源泉所得税は預かれています。
ですが、会計で仕訳を適切にしていないケースです。
仕訳が
支払報酬料/普通預金 99,790円
としてしまうと、会計を見ても預り金に10,210円が出てこないため、
納める金額から抜け落ちてしまいます。
会計を確認した時に預り金の残高が、
納付すべき金額と一致しない状態は避けるべきです。
正しくは、
支払報酬料 110,000円/普通預金 99,790円
/預り金 10,210円
このように仕訳をすれば、預り金に10,210円がでてくるので、
翌月にいくら納付すればよいかは、会計上の預り金の元帳を見れば一目瞭然です。
給与計算修正後、源泉所得税の修正をしていない
給与計算を修正した際に源泉所得税の金額も修正となったが、
会計では修正前の金額のままとなっており、修正を忘れているケースです。
修正前の金額のまま源泉所得税を納めてしまうと、
修正後の金額で給与から源泉所得税を預かっているため、ズレが生じます。
最近では、給与ソフトと会計ソフトが連携していて、
給与計算を修正すれば自動で会計ソフトへ連携し、
仕訳を修正してくれる場合もありますが。
そうでない場合は、給与計算の修正をしたら、
必ずセットで、会計の仕訳も修正し、
源泉所得税の預り金について間違いがないかどうか
チェックするくせをつけましょう。
まとめ
源泉所得税の預かった金額と支払う金額のズレが生じるポイントについて
ご紹介しました。
結局は、正しく請求書に記載があれば、正しく会計処理できていれば
ズレは生じないのです。ですが、生じてしまうのが現実。
注意すべきポイントが分かれば、どこを見ればよいかもわかってきます。
ぜひポイントをつかんで頂ければと思います。
▼今日の一曲♪
大滝詠一「君は天然色」
(収録アルバム「A LONG VACATION」
▼昨日の娘日記
-姉8歳-
昨日は学童の秋の大交流会!!
割り箸でっぽう、マンカラ、将棋、宝探し
たくさん親子で遊んで楽しみました。
ー妹5歳ー
妹も秋の大交流会に参加。
予想どおりですが、家族の中で
一番楽しんでいました。