年末調整からの税務実務の流れを整理してみる。

年末調整が終わり、各従業員に源泉徴収票を発行したら
続けて源泉所得税の納付から償却資産税の申告まで
1月は瞬く間に過ぎていきます。

今年は1月31日が日曜日なので、
翌日の2月1日(月)が
・法定調書合計表
・給与支払報告書
・償却資産税の申告書
の提出期限です。

どれもささっと終わらせたい業務ですが、
1つ1つ神経を使います。

①源泉所得税の納期の特例

給与や賞与から徴収している源泉所得税や、
士業への報酬にかかる源泉所得税
について、年に2回の納期の特例を使っている場合。

7月分から12月分までの源泉所得税について
1月20日までに管轄の税務署へ申告・納税する必要があります。

半年分の源泉所得税を集計して申告する必要がありますが、
給与計算ソフトを使っておられる場合は
たいていソフトから金額集計することができます。

徴収高計算書のフォーマットがそのまま出てくるものも
多いので、それを徴収高計算書に転記すれば申告は意外に
簡単にできるので、下記ご参照の上、
ご自身でやってみていただけば。

ただし外注が多く、士業などへの支払いに係る源泉所得税が多い場合は
エクセルなどで別途集計する方が間違いが少なくなりおすすめです。
給与計算ソフトを信じてそのまま徴収高計算書を作成すると
会計と一致していないということも多いので。

源泉所得税間違いやすいポイントはこちら↓

源泉所得税の納期の特例はe-Tax(Web版)で送信を↓

②法定調書合計表の作成

法定調書合計表は
給与や賞与の年間の支払いと源泉所得税の額、
士業などへの年間の報酬の支払いと源泉所得税の額
を源泉徴収票や支払調書をもとにまとめた表です。

これを管轄の税務署へ提出し、
年間の源泉所得税の金額を報告します。

また、おまけのように、
不動産の使用料や譲受の対価、売買あっせんなども表に記載します。

なお源泉徴収票や支払調書は全員分提出する必要はなく、
金額や対象者がそれぞれ決まっていますので、要件に応じて
添付が必要です。

給与所得に関しての提出範囲は

士業などへの支払調書についての提出範囲は、(7)の(1)から(6)以外の報酬、料金等に該当します。士業などへの報酬の支払いが、この中で一番が出てくると思うのですが、それ以外というような扱いですね。


そして、おまけの不動産使用料の提出範囲がまたややこしいです。
個人の方については、不動産業者のみ記載が必要なので、
お店を借りて事業をしておられていても、家賃などの記載の必要はありません。

また、法人に支払う不動産の使用料等については、権利金更新料等のみ記載。
そのため、法人に家賃を払っていても地代家賃の記載は不要です。

提出はe-Taxで可能です。
こちらも給与計算ソフトや年末調整ソフト
などから出力したものをそのまま提出できるのですが、
要件に合っているか、数字が合ってるかなどを確認する必要があります。

毎年法定調書の業務を行っていますが、
ソフトからそのまま出力しても
何かしら間違いがあるものです。

最終的には自分の目で確かめて
要件に合った申告をします。

③給与支払報告書提出

給与支払報告書は源泉徴収票と同じ情報が記載された書類です。
税務署ではなく、1月1日現在それぞれの方が住んでいる地方自治体へ提出します。

実務上は、給与支払報告書に書かれている住所を元に
各地方自治体へ提出となります。
給与支払報告書を提出することにより
6月からの住民税が決定されるので、
忘れずに提出しましょう。

ちなみに京都市では給与支払報告書のフォーマットを
ダウンロードできます。↓
Excelで住所や金額を入力すれば
給与支払報告書の形で自動転記してくれますよ。
年末調整ソフトを使っていない場合はこういったものを使う方法もありますね。


給与支払報告書はeLTAXで提出可能です。
源泉徴収票も一括でeLTAX提出にすれば、
e-Taxで税務署へ提出されるという一元化も進んでいます。

同じ情報を税務署、自治体別々に提出するのは面倒なので、
電子化による一元化は積極的に進めたいものですね。

④償却資産税の申告

そして償却資産税の申告も同時期に進めます。

償却資産税は、各自治体が土地建物以外の
動産に関して課税する固定資産税の一部です。
その動産の所在場所にある自治体が課税します。

車両は自動車税や軽自動車税がかかるものは対象外。

非課税枠(免税点)もあります。
自治体ごとに細かい取扱いが違うので
具体的な内容は申告する自治体のホームページで確認を。

令和3年分については、コロナ特例がありますので、
特例を使える場合は、固定資産税を軽減もしくはゼロに
することも可能です。

その場合は認定経営革新等支援機関等に確認を受ける必要があります。

軽減申請も同じく令和3年2月1日が期限ですので、
対象となる場合は、期限内に申請できるよう準備をすすめましょう。

 

 

▼娘日記
保育園のお正月制作で作った絵馬。
娘のものには、
「みんながしあわせにくらせますように」と
お願いごとが書いてありました。
ほんとにそうだなぁとしみじみ。

 

 

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