税法免除の場合の大学院生活についてー1回生前期ー

大学院で税法に関する論文を作成し、国税庁に提出、税法科目の免除を受けて、

税理士になる方法があります。いわゆる大学院免除です。

私はその方法で税理士になりました。

 

これから大学院免除で税理士になろうと考えておられる方に向けて、

2年間どういったスケジュールで論文完成、修了まで進めるのかを書いていきます。

春は生活に慣れるのが第一(4~7月)

まずは1回生の春から。1回生は修士論文のテーマを1年かけて決めていく大事な時期です。

1年目の修士課程のことをM1と言います。読み方はエムイチです。

かの有名な漫才師日本一を決めるMー1と混同しそうですが(私だけ?)、

エムワンではありません。「M」はmaster(マスター)の「M」で、修士ということです。

 

春はまず生活に慣れるところから。毎日のルーティンの中にいきなり授業が入ってくるので

なかなか最初は慣れませんでした。仕事を休むことも申し訳ないですし。

 

しかも勉強に気合が入りすぎていて、今思うと変なテンションでした。

仕事に支障のないようにしないといけないので、バランスをとることが重要です。

授業を決める

春学期。午前中に学部生と共に入学式を終えたあと、すぐにオリエンテーションです。

M2の先輩の自己紹介や先生方から今後の授業について、お話があります。

 

きちんと勉強して論文も書かないと、卒業できませんよということを先生方が念押しで

おっしゃっていたのが印象的でした。税理士試験の科目を2科目免除するのだから、

税理士試験2科目分の勉強をしなければ、論文は作成できないということも。

 

なかなか厳しいお言葉でしたが、よしやるぞ!という気持ちにもなりましたね。

 

そしてM1も自己紹介。のっけから人前で話しをします。

こういう時さらっと笑いも入れながら、自分の情報もきちんと伝えられる人が羨ましいです。

笑いまで求はめてはおられないでしょうが。久しぶりすぎて、人前に出る感覚を忘れており

緊張してしまいました。

 

自己紹介のあと、ゼミのグループ分けがあり、入学試験の際に提出した研究計画書の

内容に応じて、指導教授を誰にするのかが決まります。希望も聞いてもらえましたよ。

 

時間割はというと、基本的には全員で受ける授業を合わせることになりました。

これは受けてねと先生方から言われる授業が5つ程度。

 

必須授業のようなもので、法人税法、所得税法、租税論などなど、税法に関連するものなので、

自動的にこれは取るよな~と思うようなものです。

 

残り2つは自由に選べました。

ほとんどの科目は、社会人用に土曜日にカリキュラムが初めから組んでありましたが、

あと残りは自由ではあるものの、取りたい科目と自分が仕事を休める日が合わないとなかなか

上手くとることができないことも。

 

ただ、授業をする先生の都合が合えば、時間割を変えてくださったので、

そこは柔軟に対応してくださいました。

 

結果、平日は1日仕事を休みにして、そこに授業を全部つめこんで、

春は平日1日、土曜1日で計7科目。週2回で通うことになりました。

基本は1回生全員で話し合って同じ授業をとりました。

(先生と1対1になると、毎週自分が発表となってしまい、かなりきついですので。)

授業は、発表形式がほとんど

オリエンテーションが終わると、翌週から本格的に授業が始まります。

発表形式が多く、学部の時のように授業を受けて、期末試験を受けて、単位を取得する。

という授業はありませんでした。

 

講義形式の場合は、授業を受けながら、授業に参加する度合いや理解度に応じて評価を

してくださったので、テストはありませんでした。その代わり授業中はけっこう発言

するようにしていました。そこで評価してくださいます。

 

発表形式の場合は、参加生徒で週ごとに、自分の研究してきたことを発表、

そのあと先生や生徒と共にフィードバックする時間を設けられていました。

 

例えば、所得税法の授業であれば、所得税法においては、所得の区分が非常に重要であること

から、事業所得と給与所得についての区分基準がどこにあるのかなど、それぞれの所得の定義

から始め、判例を交えながら区分のポイントについて発表したり。

 

事業って何?とか、所得とは?とか観念的で難しいのですが、そんな税務の理屈の話が

出来るのは自分にとっては、ここだけだったので、すごく新鮮な気持ちになったのを

覚えています。

 

実務でも専門的な話をすることはあっても、理屈を掘り下げる時間もなかなか取れず、

とりあえず処理方法を調べる程度で終わっていることも多々あります。

 

なので、時間をかけて一つの課題に取り組むこと自体が面白く感じました。

勉強好きなら、きっと楽しいと思います。

 

毎週発表の嵐が吹き荒れる期間もあって、それこそ必死のパッチで、

夜中に子供が寝てからとか、早朝に起きて眠い目をこすりつつ、発表レジュメを大量生産!

その時は大変でしたが、いい思い出です。

まとめ

1回生の春学期は、授業をうけつつ、発表の方法を覚え、専門書を読み、

判例研究の手法を覚えて自分のものにしていく重要な時期。

 

仕事もしながら、試験勉強もしながらの方が大半だったので、

ハードではありますが、仕事にも試験にも相互にリンクしている内容なので、

けっして無駄な時間にはならないです。

 

前期だけで長くなってしまいましたので、続きはまた次回!