税法免除の場合の大学院生活についてー1回生後期ー

大学院で税法に関する論文を作成し、国税庁に提出、税法科目の免除を受けて、

税理士になる方法があります。いわゆる大学院免除です。

1回生の夏休みに入る前に2回生による修士論文の中間報告があります。

夏休み前に2回生の中間報告

1回生は先生たちとともに聞き役になります。来年自分も同じところに立って

発表するので、どういった流れで行われるのかを見るのです。

 

主査、副査の先生方、授業を担当してくださっている教授、1回生で

だいたい15人くらい参加します。

 

主査、副査というのは、修士論文の指導教授のことです。

学生1人につき主査が1人、副査が2人ついてくださり、修士論文の指導を受けながら

最終稿まで完成させていきます。主査は春の入学時に決めた所属ゼミの教授が

担当してくださいます。副査は2年生の春に学校から指定がありました。

(希望も聞いてくれるそうです。)

 

発表内容は、修士論文のテーマ報告と全体の章立て、結論や方向性について

1人ずつ報告します。

 

発表は15~20分。質疑応答が20分。1人40分程度時間をもらいます。

修士論文についてのアドバイスをもらえる機会なので、貴重な時間です。

偉い先生方が勢ぞろいするので、けっこうな雰囲気で緊張する場面ではありますが。

 

質疑応答も含め、きちんと報告できないと厳しいお言葉も容赦なく飛んできます。

そのかわり、研究を計画的に進めている人に対しては、結論が出ていなくても

はっきりと章立てが出来ていなかったとしてもどの先生方も優しいです。

 

大学院免除といえども研究する場なので、熱心に取り組んでいるかどうかを見られる

ということです。

仕事もそうですが、真面目に取り組んでいるかどうかでその人への印象が変わります。

自分が指導をする立場だったとすれば、熱心に研究に取り組んでいる人を応援したいと

思うのは自然なことですもんね。

学校生活に慣れたころに夏休みへ

夏休みはだいたい7-8月の2か月間です。発表の嵐に慣れてきたころに夏休み。

8月は税理士試験。私は在学当時、試験科目は残っていなかったので、

受けませんでしたが、まわりは税理士試験を受ける方がほとんどでした。

なので、7月の後半はだいたいの授業がお休みになっていました。

 

 

夏休みの課題はなかったですが、夏休みに租税法のさまざまな専門書を読んでおく

ように指導がありました。法人税法や所得税法、消費税法など基本的な税目

の知識が入っていないと、秋からついていけないよ~と言われたような・・・。

 

確かにそのとおりで、秋からは入門というよりも専門分野についてより深く学んでいくので、

税法科目を学んだことがないような場合は、ついていくが大変かもしれません。

 

国税庁のHPでダウンロードできる、税大講本も読むように言われました。

税大講本とは、税務署職員の方のための研修用テキストで、税務大学校で

使われています。

ダウンロードできるので誰でも見ることができます。

 

法人税法や所得税法の基本的な知識について体系的に書かれているので、

分かりやすくて読みやすいです。

 

初めて税法について学ぶのであれば税大講本をオススメします。無料ですしね。

夏休み明けから年末まで

秋から本格的に法人税法や租税手続法などより深い専門知識を学んでいきます。

相変わらず発表の嵐でしたが、春のころよりは進め方についても慣れてくるので、

ほんとに少しだけですが、余裕が出てきます。

 

一番印象に残っているのは、税務相談のような、税務に関する問が与えられ、

正解があるのかないのかもよくわからない問題を、翌週までに解いてきて、

回答を文章化して提出する宿題がありました。

 

まあほとんどの問題が噛み応えのある問題で・・・、みんなで苦戦したのを覚えています。

他の授業の先生にも手伝ってもらいながら、苦しみながら回答しました。

模範解答をもらっても、あまり納得できないものもあり、税務判断の難しさを改めて

痛感しました。

 

この時期は会計事務所の仕事も年末調整からだんだんと確定申告へ向けて忙しくなる時期。

気持ちが仕事にどうしても傾きます。

この時期も研究テーマをどうするか、さらに考える必要がありますし、

漠然とでも研究テーマがあるのであれば、それに関する文献、雑誌等を読んでおくことが

大切です。

 

年明けはすぐに過ぎ去って春休み

会計事務所で仕事をしていると、年明けからはどうしても忙しくなり、なかなか大学

の方に気持ちが行かなくなってしまいます。確定申告の波の大きさは事務所によって違いますし、

事務所によっては、確定申告はほとんど受けていないようなところもあります。

 

しかし、ごく一般的な事務所であれば、平日は終電で帰るのが当たり前。ひどい時は土日も出勤

なんていうこともありました。幸い?なのか私の場合は、保育園にお迎えに行かねばならなかった

ので、時間の上限は決まっており、残りたくても残れないという状況にありました。

 

それと、この時期は試験勉強の合否の結果を受けて、年明けから勉強を再開する場合も多いです。

試験勉強が始まると、これまただんだんと大学院から気持ちが離れていきます。

そういう時期です。

 

ですが、この時期におおまかであっても、研究テーマを決めておくと、2回生で実際に

修士論文を作成する段階でかなり負担が減ります。

 

春休みくらいから、論文作成に向けて研究テーマに沿った文献・雑誌論文を集めて読んでおく

とよいと思います。そうすることで、新たな疑問が出てきたり、方向性が変わったり変化が

おきますが、まだ1回生。取返しがつきます。

 

これが2回生の後期の途中だったりしたら悲劇です。そこから大きく軌道修正したり、

大量に書いたはいいけど収集つかない!けど書き直せない!結論がよくわからない!

なんてことになってしまうからです。

 

この時期、どれだけ研究テーマについて考えて、骨子を作れるかが実は大変重要なのです。

では今日はこのへんで。2回生へ続く。