相続税申告に必須!過去の贈与税申告の有無がわからない場合の対処方法

被相続人(亡くなられた方)から相続人に対し、
過去に贈与があった場合には、
その過去の贈与について相続財産に加算し
相続税に含めて課税される場合があります。

相続税申告を適正に行うには、
この過去の贈与税申告の有無を確認しておくことが大切です。

けれど当事者の相続人の分ならともかく、他の相続人などについて
過去の贈与があったかどうかは確認しづらいものです。
確認してもあまりに昔のことで忘れていたり。

揉めている場合はなおさらです。

そんな時は、過去の贈与税申告書の提出内容について
「情報開示請求」という方法を使って確認してみるのも一手です。

どういう場合に相続財産に加算されるのか?

過去に贈与があったからと言って、
すべての贈与について相続時に相続財産として加算される
というわけではありません。
相続財産に加算して精算される贈与は、以下の場合です。

・相続開始前3年以内の贈与

・相続時精算課税による贈与

これらは、相続財産に加算して改めて相続税が課税されます。
では順番に見ていきましょう。

▼相続開始前3年以内の贈与

こちらは、暦年で年間110万円までは非課税となる贈与のことを指します。
贈与を受取る人ごとに年間110万円までは課税されません。

贈与される財産は現預金や不動産など様々ありますが、
110万円を超える贈与が行われている場合は、
贈与税がかかりますので、贈与税申告書を提出します。

▼相続時精算課税による贈与

一方、相続時精算課税による贈与は、その名の通り、
相続時に相続財産に加算し、精算して課税するという制度。

こちらは3年以内ではなく、どこまでもさかのぼって相続財産に加算して精算となります。

年間110万円に比べると、非課税枠は2,500万円あり、
贈与の段階では贈与税がかからないという方もいらっしゃいますが、
結局、相続時にすべて課税されるので、
課税の繰り延べ(後払い)の効果はありますが、節税にはならない
という制度です。

相続開始前3年以内の贈与は過去3年分なので、
わりと直近で覚えているものですが、問題は相続時精算課税の方ですね。

あまりに昔の贈与だと覚えていないこともありますので、
相続財産から漏れやすいという問題があります。

税務署が相続税申告書の送付やお尋ねを送る際に、
過去の贈与税申告について提出内容を書いた書類を1枚入れておいてくれたらなー
と切実に思うのですが、残念ながら現状はそういったサービスはありません。

そこで、相続税の申告をする際は
贈与税の情報開示請求を使って、過去の贈与税の申告書の提出内容について
税務署に確認する方法をおすすめします。

開示請求方法

被相続人の最後の住所地の管轄の税務署に対し
「開示請求書」を次の添付書類と共に提出します。

開示請求書はこんなものです。

こちらは国税庁HPからダウンロードできますし、
最寄りの税務署で入手可能です。

添付書類
・全部分割の場合:遺産分割協議書の写し
・遺言書がある場合:開示請求者及び開示対象者に関する遺言書の写し
・上記以外の場合:開示請求者及び開示対象者に係る戸籍の謄(抄)本

基本的に相続人の方が開示請求をしますが、
税理士に相続税の申告書作成を依頼している場合は、委任状を添付書類に追加することで
税理士が相続人に代わって請求することも可能です。

受取方法

請求後の開示書の受取は、提出した税務署で受取る方法と、
郵送による方法があります。

郵送の場合は、返信用封筒に切手を貼って、
開示請求者の住民票の写しをつけて提出しましょう。
開示請求をした方の住所に返送されます。

開示してもらえる内容

相続人の内、開示請求の対象となる方が被相続人から贈与を受けた

・相続開始前3年以内の贈与財産の総額
・相続時精算課税贈与適用額の総額

について、情報開示してもらえます。

注意点いろいろ

・開示請求をした方について、情報開示してもらえるわけではなく、
 請求した相続人以外の相続人について、情報開示をしてもらえますので、
 開示請求をした本人の分は開示してもらえません。

 開示請求をした本人の分を確認したい場合は、申告書等閲覧サービス、
 個人情報開示請求という別の手続きをすることになります。

・複数人の相続人について開示請求をしたとしても、
 相続人一人一人の過去の贈与財産がわかるというわけではありません。
 あくまで贈与財産の総額がわかるのみです。

・そもそも贈与税申告書が提出されていない場合や
 年間110万円以内の贈与で申告をしていない場合は
 何もあがってきません。

・開示請求をすると、税務署は2か月以内に情報開示しなければなりませんので、
 申告期限を勘案しながら、ある程度余裕をもって請求するようにしましょう。

まとめ

贈与税の情報開示請求についてまとめました。
過去の贈与財産は相続財産から漏れやすい上に、
誰も教えてくれないがネックです。

全てを把握できるわけではありませんが、
相続税申告を適正に行うための一手として
ぜひとも利用すべきだと思います。

 

 


▼娘日記(8歳、5歳)

今日は保育園で梅干し作り。シソ漬けするそうです。
食育もしてくれる園なので感謝しかありません。
私も毎年梅ジュースを作っているので、
そろそろ準備しようっと。

上の娘は、学童で酒ブタゴマ作りを熱心にしています。
日本酒のフタで作った学童オリジナルのコマです。
もうすでに30本くらいは家にあると思うのですが
毎年作ってきます。まだ飽きないそうです・・・。


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