結局のところ相続対策はちょっとずつ贈与が一番効果的

相続対策しないと相続税がかかりそうだけど、
何からすればよいのかわからない、
とご相談を受けることがあります。

対策は数あれど、
地味にちょっとずつ贈与をするのが
今のところ一番いいのではないかと考えています。

相続対策は色々とあるけれど手続きが大変

相続対策と一口に言っても、様々な方法がありますね。
思いつくところでは

・ちょっとずつ毎年110万円非課税枠を使って贈与をする
・生命保険を使って贈与をする
・住宅資金贈与の特例を使う
・教育資金の一括贈与の特例を使う
・結婚子育て資金の一括贈与の特例を使う
・不動産を購入する
・不動産賃貸業を行い、事業の贈与をする
・自宅に将来相続人になる子供と同居をして、小規模宅地の特例を使えるようにする

などなど。

けっこうな数の対策を打つことが可能です。
事前に対策をしておくことで、
相続税額は大きく違ってきます。

何もやらないでそのまま相続税課税されるより
何か対策を講じて少しでも相続税を節税したいと思う気持ちは誰しもありますしね。

あとは好きなものに好きなだけお金を使うのも大事だなと。
せっかく頑張って自分で築き上げた財産ですから
自分で使いきるのが、一番もめなくて、
自分も楽しめて、結果、周りも幸せになるのではないでしょうか。

もし、この中で私が相続対策をするならば、

・ちょっとずつ毎年110万円非課税枠を使って贈与をする

方法です。
それでも、お金が有り余っているのであれば、

・生命保険を使って贈与をする
・住宅資金贈与の特例を使う

のもいいですね。
あとの対策は検討の余地はあれど、手続きが面倒に感じます。

不動産会社とのやり取り、銀行とのやり取り、面倒ですね~
保険会社とのやり取りは、節税効果から言って費用対効果が高いので
手続きが必要な場合は目をつむります。

こういった外部とのやり取りがいらないという意味でも、
毎年110万円非課税枠を使って贈与をする方法がおすすめです。

年間110万円までの非課税枠を使って贈与

年間110万円までの非課税枠の贈与ですが、

贈与を受ける人ごとに年間(暦年で1ー12月)110万円まで贈与税が非課税となります。

例えば子供が3人いる場合、年間110万円×3人=330万円までは
無税で財産移転ができるわけです。

110万円までなので、現預金での贈与を想定すると、
仮に毎年330万円まで非課税で贈与をすれば、
3年間で990万円も無税で財産移転ができるのですから、
かなり大きいですよね。

例えば、
財産総額7,000万円で子供3人が相続する場合の相続税額は
何も対策しなかった場合は、約220万円。
(相続財産から基礎控除を引いた金額から単純に算出。
細かい控除は前提から除きます。)

990万円の贈与を3年間実施することで
相続税額は約121万円まで下がります。

この場合は、約99万円の節税になります。

もう少し財産額を上げて、
財産総額10,000万円で子供3人が相続する場合、
相続税額はそのままだと約630万円。

990万円の贈与を3年間で実施することで
相続税額は約481万円。

この場合は、約149万円の節税。

3年間贈与するだけでこれだけ相続税額が変わるので
ちょっとずつ贈与することでの効果がわかっていただけるのではないでしょうか。

もちろん、110万円を超えて贈与をすることも可能です。
その場合は、超えた部分について贈与税がかかりますが、
相続税が課税される場合と実行税率で比較して、
どちらが有利かシミュレーションをしてみるとよいでしょう。

意外と贈与税を払ってでも相続税額を減らす方が効果があることもありますので。

自分でシミュレーションをするのが難しい場合は
税理士にお願いしてしまうのも方法です。

贈与であることを成立させるために

贈与は口頭でも契約が成立しますが、
書面に残すようにする方が、いざ相続が開始される際にもめません。

ですので、
・贈与をする人、贈与を受ける人でお互いに贈与があったことを確認しておく
・そのための贈与契約書を贈与の都度作成・保管しておく
・財産移転を明確にするため振込にする(現金払いはしない)
・贈与税申告書を提出しておく

この4点を行います。

注意点は、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に足し戻しされること

ちょっとずつ贈与の注意点は、
亡くなられる前3年以内に行われた贈与については、
相続財産に足し戻して相続税で精算されることです。

ただし
相続又は遺贈で財産を取得しなかった場合は足し戻しされません。

亡くなる直前に贈与をする場合で
1円でも相続税を払いたくないのであれば、
相続や遺贈で財産をもらわない孫などに贈与をする方法が考えられます。

まあそこまでして相続税を払いたくない人もいるのかな
とも思いますが、税制上はそうなっているということです。

まとめ

相続税の節税効果が非常に高い、ちょっとずつ贈与についてまとめました。

贈与と相続は一体化して課税する方向に動きつつあります。
現状は使える節税ですが、これからどうなっていくのか、
注視していくべき項目です。

 

 


▼娘日記(8歳、5歳)

写真は保育園で頂いたトマトの苗。すくすく育っています。
ついでにスイカ・お花も育てることに。
こちらも元気です。

朝の水やりは子供たちのお仕事。

役割を与えると子供はものすごく喜んでやってくれます。
水やりしてくれてありがとうと下の娘に言うと、とても嬉しそうでした。

飽きないように姉妹交代でやってもらうのがコツです。


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