もめない相続対策の進め方

そろそろ相続が発生しそうだし、準備をしないといけないことはわかっているけれど
何から始めればよいのかわからないので相談をしたいと言われることがあります。

相続税を減らすことも大変重要なのですが、
相続対策として一番重要なのは、もめないように進めることだと考えています。

今日は私の考える相続対策の流れについて書いてみたいと思います。

全体の流れ

相続対策の全体の流れはこういったものです。

現状把握(現時点での概算税額の算定と問題点の把握)

遺産分割対策

遺言書作成

相続対策実行

現状を把握しよう

相続対策というと、相続税を安くしたいという想いがその根底にあるように感じます。
現状のまま相続が発生したら相続税がいくらするのかわからないから
概算税額を知りたいということです。

相続税がいくらか知りたいというのも大切ですが、
まずは現状どういった財産があるのかを把握しないと何も始まりません。

正式なものでなくてもよいので「財産目録」を手書きやエクセルなどを用いて作られると良いでしょう。
財産目録は財産を把握するための書類ですので、具体的に所在や地番、現時点での評価額を
可能な限り詳細に記録していきます。
例としてあげるとこういったものです↓

そのまま法定相続人で按分するとすれば概算税額がいくらになるのか
算定してみます。難しい場合は、専門家に頼んでみましょう。
単発で概算税額を出してくれる税理士事務所もありますよ。

概算でも税額がわかると少し不安が解消するものです。
お金を払ってでも税額の試算をされることをおすすめします。

現状が把握できでば問題点も見えてきます。
・誰に何を相続するのか(分け方の工夫がいる場合も)
・不要な財産の整理・処分
・財産の有効活用の方法
・相続税を減らすための対策

問題点が見えてくれば、次に対策を考えることができます。

遺産分割対策

不要な財産整理や財産の活用が見えてきて、
現金(ある程度流動的なもの)に変えられるものは変えて、
誰に何を分割するのかを決めていきます。

納税資金準備も保険の加入などで積立てて準備できるようすすめます。

また節税対策として生前贈与をするなど

財産の
・分け方(遺産分割方法の策定)
・減らし方(相続税の減少・生前贈与の活用)
・積み立て方(保険の提案)
を同時に考えていきます。

遺言書作成

財産の構成がある程度固まって、誰に何を相続、遺贈するのかが決まれば、
次は遺言書作成です。

うちはもめていないので、話し合って決めればいいわ。

というご家庭もありますが、話し合い当時の気持ちが、いざ相続が開始したときに
続いているとは限りません。良くも悪くも相続人の状況は日々変わっていくものです。

言った言わないのトラブルを防ぐためにも
遺言書は作成すべきかと考えます。

特におすすめは公正証書遺言です。公証役場で公証人関与のもと遺言書を作成する方法です。
家庭裁判所での検認も不要であり、署名は基本的に自筆ですがそれ以外はパソコンで、
法的に有効な遺言書が作れますので高齢者にとって負担が少ないです。

弁護士や司法書士に作成依頼をすることも可能です。
気軽に遺言書を作成だけをしたいという場合は、行政書士も対応してくれます。

相続対策実行

立案した生前贈与や保険加入の検討をもとに実際に対策を行っていきます。
このとき最初に試算した税額から対策実行により減少した税額を見える化すると
より対策することのやりがいにつながりモチベーションの維持ができます。

このあたりは税理士としての仕事になりますが。

弊事務所にご依頼頂ければ、不動産会社や保険会社、他士業との連携を強化していますので
ワンストップで相続対策を実行することが可能です。まずは税務相談からお受けしています。

ご自分である程度進められて相談したいことが出てきたら
専門家にご相談されるのも良いですね。