税法免除のための大学院 修士論文の書き方 ー注記編ー

大学院で税法に関する修士論文を作成し、国税庁に提出、
税法科目の免除を受けて、税理士になる方法があります。
いわゆる大学院免除です。

修士論文を書く際によくわからないのが注記のところ。
いったい何を書けばいいのか、どう書けばいいのか始めのうちは分かりませんでした。

そこで今日は、修士論文の注記には何を書くのか?というテーマで書いていきます。

注記は本文には書かない補足のようなもの。

注記とは何でしょうか?
国語辞典によると、注記とは「①注を書きしるすこと。また、その書きしるしたもの。
「本文の脇に-する」②書きしるすこと。また、記録。」※とあります。
※が注記です。他から引っ張ってきた文章なので、出所を書きました。
注記は書きしるす、注意をひくための記録。本文を補足するもの。
といったところでしょうか。

※松村明編『大辞林』[第三版](三省堂,2006)

どこに書くのか?

では注記する場所は、修士論文のどこになるのでしょうか。
パターンは2つありました。
各ページの下欄に書く、章末ごとに書く、の2つです。
どちらが正しいというわけではありません。
指導教授の好みや大学院によって所定の方法があると思いますが、
私の場合は好みで決められましたので、各ぺージの下欄にしました。
見やすいので。
こんな感じです。手前味噌ですが自分の論文を一部抜粋。
真ん中あたりの横線より上側が本文。横線より下側が注記。
ではどういった内容を書くのか、次に書いていきます。

他の本から写した文章についての情報を書く。

本文を補足する中でも一番欠かせないのは、引用文献の注記です。
引用は、他の本や雑誌から取ってきた文章をそのまま本文に書くことです。

引用した場合、どこからその文章を取ってきたのか、情報を書かないと
盗作になってしまいます。そのため引用元は注記しなければなりません。

逆に言えば、注記すれば他からの文章をそのまま書いてもOKということです。

自分の書きたい内容に合っているような文章を見つけたら
注記を忘れなければ、そのまま使うことができます。

本文に引用した文章は「」をつけて、どの部分を引用しているか分かるように書きます。
「」⁸←こんなふうに引用部分に番号をふって、
注記のところに引用した本や雑誌論文の情報を記載します。

また、孫引き(引用した本がさらに引用している本について、原典を調べずに、
そのまま引用の引用をすること。)はダメです。
引用した著者の引用をさらに引用する場合は、大元の本にあたって、
大元の本から引用します。

ちなみに注記の表示方法ですが、引用した文献、雑誌、インターネットなど
媒体によって様式が違います。法律文献等の出典の表示方法
一般的に使われていますので、こちらを参考にされても良いと思います。

言葉の意味を書く。

本文に使う言葉で、一見どういう意味で使うのかわからないような場合や
専門用語を使う場合は、注記に書きます。

研究テーマにとってその言葉の意味が重要である場合は、
注記には書かずに本文に書く場合もありますので、
本文に書くのか、注記に書くのかは見極めが必要です。

またまた手前味噌ですが、私の論文で言えば、「二重課税」という言葉。

研究テーマが「相続税と譲渡所得課税の二重課税について」
だったので、二重課税という言葉がそのままタイトルになっています。

研究テーマの重要なキーワードだったので、注記で意味を書く、
というわけにはいきません。こういった場合は本文に書きます。

注記に書く場合は、大きくテーマに直接関連しないような、
間接的に文章の中に出てくる場合です。

例えば、包括的所得概念、租税法律主義、借用概念など。
普通に生きていると使わないし、知らない言葉ですが、
専門用語としてはごく一般的な言葉です。

こういった言葉の説明がきちんとしてあると、
論文としての印象も良くなりますので、
言葉の意味を書くのはおすすめです。

もちろん根拠を示すために言葉の意味も引用して書きましょう。

反対意見を書く。

本文には自分の意見を書くための補強をしてくれる引用文献の文章を書き、
反対意見の文献については注記に入れるような場合もあります。

例えば、
A教授の意見に自分が近い場合。
B教授の意見は自分と反対の意見である場合。

その場合に、A教授の意見をA教授の書いた論文から本文に引用し、
さらに自分の考察を加えます。

反対意見として、B教授の意見をそのまま本文に書くこともできるのですが、
文章がすっきりしなかったり、B教授の文章だけがちょっと浮いてしまったり、、
なかなか難しいです。

そういう場合に、反対意見を注記にもってくることもできます。

そうすると本文での文章の流れがスムーズになり、
すっきりとした印象になります。

先行研究をしたことをアピールする。

研究テーマの周辺研究や周辺意見を注記に書くこともありますが、
これまで同じ研究テーマで触れられてきたことをなぞることも
注記で必要なことです。

本文で書くこともできますが、あまり研究テーマと直接的でない内容であれば
本文で書くと、内容がぼやけてしまい
結局何が言いたいのか分からないような文章になりがちです。

周辺の話だけど、これは入れておきたい内容だ!という時に注記が役立ちます。
これまでの経緯を書くもよし、補足される論文について、注記で引用することも可能です。

しかも本文より注記が長くなると、なぜかすごく研究が進んでいるように見えます。
印象の問題ではありますが、これもとても重要です。

 

▼今日の一曲♪

Czecho No Republic(チェコノーリパブリック) / Firework
(収録アルバム:『Santa Fe』)

▼昨日の娘日記

-姉8歳-
学童でコースターを作ってきました。
自分で刺し子して針で糸を縫っていきます。
細かい作業は得意なようで、かなり細かい模様を作っていました。

ー妹5歳ー
5歳になった記念の色紙づくり。
手形を色紙の真ん中にとって、
その周りに1年のベストショット写真を貼ります。
手形をとろうねという話をしてから時間がたってしまい、
気づくとすでに真っ赤な手形が押してありました・・。

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