ayumitanaka 給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられたことに伴い、
給与収入が850万円を超える方は、2020年から実質の増税となります。
ただし、子育て世帯や納税者本人が障害者である場合等
一定の方については、所得金額を調整してくれる緩和措置が
創設されました。それが所得金額調整控除です。
2020年分の年末調整から適用されています。
では内容を見ていきましょう。
所得金額調整控除の対象となる方
対象となる方は次のいずれかに該当する方です。
なお、給与等の収入が850万円を超える方であることが前提です。
①納税者本人が特別障害者である
②23歳未満の扶養親族がいる
③特別障害者である同一生計の配偶者又は扶養親族がいる
①③の特別障害者とは、
身体障害者手帳での身体的障害が1級または2級の方又は
精神障害者保健福祉手帳での障害等級1級の方
又は重度の知的障害のある方などをいいます。
具体的な調整金額の計算方法
（給与等の収入金額ー850万円）×10％＝所得金額調整控除
↑1,000万円を超える場合は、1,000万円。
で計算されます。
具体的に金額を当てはめてみましょう。
2020年 給与等の収入が1,200万円である場合。
【給与等の収入】 1,200万円
【給与所得控除額】 △195万円
【所得金額調整控除額】△（1,000万円ー850万円）×10％＝15万円
【給与所得】 990万円
2019年以前と比べると増税は緩和されているのか？
上記の給与収入1,200万円の方の
2019年以前での給与所得を計算してみます。
2019年以前 給与等の収入が1,200万円である場合。
【給与等の収入】 1,200万円
【給与所得控除額】 △（1,200×10％+120万円）＝240万円
【給与所得】 960万円
2020年からは基礎控除が10万円増えていることを
加味すれば、
990万円－10万円ー960万円＝20万円の所得増加となります。
緩和措置はあるもののやっぱり増税ですね・・・。
では給与収入が1,000万円である場合はどうでしょうか。
2019年以前 給与等の収入が1,000万円である場合。
【給与等の収入】 1,000万円
【給与所得控除額】 △（1,000×10％+120万円）＝220万円
【給与所得】 780万円
2020年 給与等の収入が1,000万円である場合。
【給与等の収入】 1,000万円
【給与所得控除額】 △195万円
【所得金額調整控除額】△（1,000万円ー850万円）×10％＝15万円
【給与所得】 790万円
2020年からは基礎控除が10万円増えていることを
加味すれば、790万円－10万円ー780万円＝0円
こちらは所得の増加はありません!
つまり、給与収入が1,000万円を超える方で
所得金額調整控除の対象の方は、
増税の緩和措置はあるものの、
昨年以前と比べると増税されているということ。
そして、給与収入が850万円超1,000万円以下で
所得金額調整控除の対象となる方については、
増税されていないということがわかります。
基礎控除兼配偶者控除等兼所得金額調整控除申告書に記載
年末調整で所得金額調整控除の適用を受けられる方は、
その旨申告書に忘れず記載します。
基礎控除兼配偶者控除等兼所得金額調整控除申告書
（相変わらず長い名前で難しすぎます・・。）の一番下に
記載する欄があります。
左側に要件とあり、所得金額調整控除に該当するかどうかをチェック。
真ん中の扶養親族等の欄で扶養親族等の氏名、マイナンバー、
生年月日、所得の見積額等を記載します。
一番右側は特別障害者に該当する場合に記載します。
障害の状態、障害者手帳の種類と交付年月日、障害の程度等を記載。
扶養控除等申告書に特別障害者に該当する旨の記載があり
同一の特別障害者である場合は、
「扶養控除等申告書の記載のとおり」で省略して差し支えありません。
まとめ
所得金額調整控除の内容についてまとめました。
子育て世帯や特別障害者に対する増税への配慮として
作られた制度で、給与収入850万円超1,000万円以下の方は
増税にはならない作りになっています。
今回まとめたもののほか、
給与所得と年金所得の両方ある方に対しての
所得金額調整控除もあります。
こちらについては、年末調整での適用はできず、
確定申告での適用となり、要件も異なります。
こちらはまた別の機会に。
▼昨日の娘日記
－姉８歳－
昨日は真面目にチャレンジタッチを
なんと8回分まとめてやっていました。
母（私）としては、毎日コツコツ
やってほしいんですけど。
まあやっているので良しとしましょう。
ー妹５歳ー
ドレスを着た自分を紙に書いて
切り抜き、鳥のように飛ばして遊んでいました。