税理士として活動するには、日本税理士連合会に登録し、所属の税理士会にも
登録する必要があります。会員になることにより税理士として名乗り、
活動することが出来るようになります。
また、税理士になるには、試験に合格したり、大学院で修士課程を修了するだけでは
なれません。会計や税務に関する実務経験が必要で、実務経験について証明書類
を提出する必要があります。
税理士登録の中で、この実務経験の証明書類を準備するのが一番大変でした。
正社員の場合と正社員以外の場合で、必要書類が違ってきますので、
それぞれ順番に書いていきます。
正社員の場合
正社員の場合は2年以上の実務経験を証明する必要があります。
必要な書類は以下のとおりです。
①在職証明書(所定の様式のもの)及び印鑑証明書(証明者のもの)
②確定申告書控えコピー又は申告していない年分は源泉徴収票
(原本。事務所印押印があるもの。)
③当年分の証明が必要な場合は、当年分の源泉徴収簿のコピー。
①から③の全てに共通するのは、証明者の押印については、全て「実印」を
押印してもらう必要があることです。
書いてもらうだけでも、お忙しくされている所長の場合や、
はたまた、あまり普段から関係性が良くない場合は、なかなか頂けないという話も聞きます。
しかも証明者は実印を押印しますから、印鑑証明書もいることになりますので、
これらの書類を頂くのは本当に苦労するところかと思います。
注意事項としては、
②の確定申告控えのコピーは紙の場合、受付印の押印があるもの。
電子申告の場合はメール詳細を添付することで、提出している確定申告書である
ことを証明します。
そして、必要年数は、実務経験証明分のため最低2年分必要です。
③は、証明者より「原本と相違ない旨の記入、署名、実印の押印」が要ります。
正社員以外の場合
パート、アルバイト、派遣労働など、正社員以外の方が実務経験を証明する場合
は、勤務時間の積み上げ計算が必要になります。
私の所属する近畿税理士会では、約3,800~4,000時間積み上げが必要とのことでした。
本来は3,600時間でOKなのですが、勤務状況によって減らされてしまうこともあるそうです。
減らされるのは、例えば休日出勤や1日8時間を超えた残業時間などです。
たとえ自分が積み上げ計算に入れていても、出勤簿やタイムカードで確認され、
減らされていくということですので、余裕をもった時間数で申請しましょう。
【必要書類】
上記の正社員である場合の書類に加えて、
①積み上げ計算書(日本税理士連合会のホームページにExcelのダウンロード様式があります。)
②積み上げ計算に含まれる期間の源泉徴収票、出勤簿又はタイムカードのコピー
が必要です。
出勤簿又はタイムカードのコピーには表紙や1枚目に
証明者より「原本と相違ない旨の記入、署名、実印の押印」が要ります。
そして、私のように正社員以外の方で、実務経験の積み上げ計算をされる場合
に、大学院に通学した期間を実務経験期間に含めて申請する場合は、
さらに追加書類が必要となります。
大学院に通学した期間を実務経験期間に含める場合
勤務時間と大学院の受講期間が重なっていなくても、提出する必要があります。
重なっていないことの証明がいるということです。
【必要書類】
①大学院通学証明書(税理士会所定のもの)
②大学院の授業の時間割のコピー
③成績証明書(原本)
②は大学院を修了してしまっていると、捨てている方も多いのではないでしょうか。
私はというと、もちろん捨てていました・・。幸い同級生に頂きましたので、
難は逃れましたが・・。正直、時間割まで提出するとは思いませんでした。
何が役に立つか分かりませんね。
③は修了式の際に頂いたものを添付しましたが、もらっていない場合は、
大学院に発行してもらう必要があります。
まとめ
ここまで、税理士登録時の実務経験証明の必要書類について見てきました。
書いたのはほんの一部で、登録される方の状況により必要書類は変わってきますので、
もっと書類が少なくて済む場合もありますし、多くなる場合もあります。
また、私の場合は近畿税理士会の所属ですが、所属する税理士会によっても
必要書類は変わってきますので、登録される方は必ず、所属する税理士会のホームページやメール等
で確認を行ってから申請をしてくださいね!