税理士はここを見る!会計チェックの方法ー損益計算書編ー

自分で会計ソフトを使って、自分で経理している方は、

ひととおり仕訳の入力や預金の登録が終わったら、入力したものが合っているどうか

自分でチェックをしましょう。

 

損益計算書をチェックする場合、月ごとの勘定科目の動きがわかる

月次推移表や推移表で確認するのがわかりやすいです。勘定科目とは取引を項目ごとに

振り分けていく箱のようなものです。

 

経理はできれば毎日、チェックは毎月していただき、月ごとに見ていきます。

今回は損益計算書編。個人事業主(フリーランス)の方を想定しています。

ではさっそく見ていきましょう。

売上高・仕入高

売上高や仕入高に漏れはないかをチェックします。金額の間違いがないどうかも見ます。

翌月以降入金分の売上で当月分にあたる売上が、しっかりと当月にあがっているかを見るわけです。

会計では、入金があったときや支払いをしたときに売上高や仕入高をあげるのではなく、

9月の売上は10月に入金があっても、9月にあげます。これを発生主義といいます。

 

よく決算で会計を締める期末だけ発生主義を使って、期中は現預金の動きに合わせて

売上高や仕入高をあげている会計を見かけます。

 

それだと、期中の業績はお金の動きでしかみれず(それはそれでとても大事なのですが・・)

月ごとの業績を正確に把握することができません。せっかく地道につけている帳簿。

毎月きちんと発生主義を使ってもらいたいです。

 

そして、それぞれ取引先ごとに補助科目をつけて、どこの取引先とどのくらいの金額で

やりとりしているのかを把握されると良いでしょう。全体の売上の何割を占めているのか、

売上が一部の取引先に偏っていないか、偏っているのは何故なのか、

仕入先で原価が高いところはないか、仕入が多すぎないかなど

帳簿をつけることで、改善点が見えてくるものです。

販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費を見る上で気をつけるのは、おおまかには次の4つです。

①各勘定科目が合っているか

②減価償却費はあがっているか

③経費の漏れはないか

④二重計上はないか

順番に見ていきます。

各勘定科目が合っているか

それぞれの勘定科目に適したものが、費用としてあがっているかを確認します。

どうしても、入力をきちんとしたと思っていても、仕訳の間違いは出てきます。

でもひとつひとつの仕訳を追うのは大変なので、勘定科目ごとにチェックをしていきます。

 

その際、勘定科目の中身を元帳の形で見ていきましょう。

そうすると、消耗品費の中に交通費が入っていたりと変な仕訳が必ずあります。

ざっと各勘定科目の中身を必ず確認し、適切な科目に修正しましょう。

 

勘定科目の中身を見ながら気にして頂きたいのは固定資産になるものが経費になっていないか、

という視点です。

消耗品費や修繕費が特に固定資産にすべきものが混ざっていることがあります。

基本は取得価額が単価10万円以上のものは固定資産にあげるべきものです。

青色申告事業者の場合は、取得価額が単価30万円未満のものについて、

少額減価償却資産の特例を適用することにより、全額を一括で費用計上できます。

 

もちろん固定資産に計上しても構いませんし、取得価額20万円未満に適用できる

一括償却資産としても構わないです。

どういう形で固定資産をあげるにしても、固定資産になるものが経費として

混ざっていないかどうかをチェックすることが重要です。

 

修繕費も同じように、そのまま維持管理のための修繕とするのか、

修繕することで資産価値があがり、耐用年数も上がるような場合は

固定資産とするのか判断する必要がでてきます。

減価償却費は上がっているか

こちらも毎月上がっていないことがけっこうあります。

決算時にまとめて1年分上げるということもありますが、そうすると月ごとの業績が

わからなくなってしまいます。

そのため、減価償却費も毎月計上し、月ごとの業績を正確にだしましょう。

経費の漏れはないか

経費を漏れなくあげるということが節税の基本です。

漏れている経費がないかをチェックしましょう。

 

代表的なものは、家賃、通信費、電気代、ガス代、リース代など。

これらは毎月利用し、引落があるものです。毎月きっちり費用としてあがっていますか?

 

また、交通費は公共交通機関を利用して領収書がでない場合に費用にあげるのを

忘れてしまいがちです。日付、移動経路、移動目的などを記録し、根拠を残して

きちんと費用としてあげましょう。

二重計上はないか

経費の漏れも多いのですが、逆に二重に計上してしまっている場合も多く見かけます。

特にクレジットカード決済の場合、データの取り込みで一度経費の登録をしているのに、

レシートから手入力をしてしまっているようなケースが多いです。

 

せっかくクレジットカードのデータを取り込んでいるのに、手入力もしてしまうのでは

時間がもったいないですしぜひとも避けたいです。手入力する前に、クレジットカード決済の

レシートはいずれ取り込みするので除外しましょう。それだけでも手入力の時間が減るはずです。

まとめ

クラウド会計が使われるようになってから、自動で経理、まだ経理しているの?というような

何もしなくても決算書ができあがるような表現を頻繁に目にするようになりました。

 

しかし、そうではありません。確かに入力や仕訳の登録をすれば、なんとなくの帳簿は会計ソフト

からでてきます。ですが間違いも本当に多いです。

 

間違ったまま形だけの決算書を使っていると、当然業績の把握にも使えませんし、

税金の計算も間違っていることになります。

 

仮に税務調査が来て間違だらけの帳簿を調査官が目にしたら、印象は良くないですし、

会計チェックをして正しく経理していれば、払わずに済んだ税金も、

間違えていることでよけいに取られてしまいます。いいことは何もありません。

 

帳簿作る時間は確実に減ってきているけれど、それでも時間をかけて作っている帳簿です。

ぜひともきちんと正しい数字を把握するために、会計のチェックは欠かさず行いましょう。

 

▼今日の一曲♪

曾我部恵一「ギター」

雨の日はしっとりとした曾我部さんの声がよく似合います。

▼昨日の娘日記

-姉7歳-
学童で色の変わるカードを作ってきました。
鬼滅の刃のねずこの色がついたり消えたりします。
私は鬼滅の刃を見たことがありませんし、娘も見ていないはずですが、
なぜかお気に入り。いろんな友達から知らないことを仕入れてきますね。

ー妹4歳ー
保育園でお誕生日会がありました。
みんなの前で元気よく名前や大きくなったらなりたいものを答えていました。
母(私)は大きくなった娘をみてウルウル・・。りかちゃんになりたいんですって。
なれるよ!かわいいもんね!と思わず心の中で言っていました。

 

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